新曲
何十曲何百曲作ってて、これだわっていう曲があって。広くもない部屋のキッチンテーブルあたりにマイク立てて吹き込んで。少しずつ美しくなっていくその曲にものすごくワクワクしながら何度も聴いて。でも、結局いつだって不安で不安で仕方ない。これは確かにひどく手間をかけたある種自分にとっ...
「ライラック」(歌詞)
「ライラック」 遠くで響く遮断機の音で ようやく僕は体を起こして ぼんやりとした陽だまりに向けて 欠伸混じりにおはようを言った 揺れるライラックの中に君を見て なんとなくもう気づいてた 愛しているって言葉は 意味を失うのさ 終わりにしようぜベイビー...
野田、marebitoやめるってよ
ここ数年、「marebito」というバンドを組んでいる。 2010年~2013年に活動していたものの、緩く結んだ三つ編みのようにほぐれていった「エブリデーサンデーズ」というバンドを解散し、一人で弾き語りを続けようとした僕になんとなくバンド熱に浮かされた野田(以降「大ちゃん」...
あの子のこと
あの子は今でも中野の外れの古いマンションの一室で息をしている。 築45年5階建ての2階角部屋、8畳の部屋に3畳のキッチンがあるその部屋は窓が小さい。 隣には大学生の男の子が住んでいたはずだけど、今はどうなっているだろう。僕はその彼に一度も会ったことがない。...
美術館について
平日の昼間、中央線に揺られている。 引越しをするための住民票を受け取りに八王子へ向かい、そのまま御徒町の会社に向かっている。 前日「引越しのために住民票取りに行くから明日はいつもと同じくらい遅刻しますね」と上司に言ったところ(´-`).。oO(何言ってんだこいつ)みたいな...
自分のこと
心理学者のアドラー曰く「記憶は啓示的なものである」という。 だとするならば、一番古い記憶というのは人生において自分が残しておきたい最初の啓示であることになる。 僕の思い出しうる一番古い記憶は、保育園の頃に母と二人で公園に行った時のものだ。 ...